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【第10回】あのとき気づけなかった後悔が、今の私の原点です

【全11回連載ストーリー:第10話】

こんにちは、菊地です。
大切な身内との、突然の別れ。
それは私の中に、消えない「問い」を残しました。

別れの後も、日常は待ってくれません。
仕事、家庭、そして気丈に振る舞う毎日。

何もなかったように過ごすことが、 私にとっての
「普通」になっていきました。

それでも、時間が経つにつれて、 心の奥底にあった
問いが、形になり始めました。

「あのとき、私は何に気づくことができただろう」
「本当は、どんな言葉をかけたかったのだろう」
社労士という仕事は、本来、 法律や制度を使って
「会社(組織)」を整えるのが主な役割です。
それはとても尊い仕事です。

でも、あの時の経験が、私に突きつけました。
「制度や法律が整っていても、 それだけでは救えない
『個人の心』がある」と。

組織という大きな枠組みの中で、 誰にも言えない悩みを抱え、
孤立してしまう人がいる。 かつての私や、私の大切な人のように。

あれから数年。 私は会社を辞め、社労士となり、
仕事と家庭の両立支援にも携わるようになりました。

ある日、かつて会社員時代にキャリア支援をしていた方から、
SNS経由で連絡が来ました。
「話を聞いてもらいたくて」
「菊地さんなら、わかってくれる気がして」
その言葉に、胸が震えました。

あのとき救えなかった後悔。 もっと耳を澄ましていれば。
もっとちゃんと気づけていたら。

その想いが、 「組織のサポート」だけでなく、
「個人の伴走」をしたいという 強い原動力になりました。

自分の経験を「誰かのために使いたい」と 思えるように
なるまでには、 正直、時間がかかりました。

大きなことを成し遂げたいわけではありません。
でも、あのときの私のように 「大切な何かに気づけなかった」と
悔やむ人が、 ほんの少しでも、後悔の少ない選択ができるように。

そして、もし誰かが「立ち止まりたい」と思ったとき、
会社の上司でもなく、家族でもない、 利害関係のない
「第三者」として、 そばにいる人間でありたい。

これが、私が個人の伴走支援をしている 本当の理由です。

今、私がしている仕事には、 そんな静かな、でも熱い想いが
込められています。
(続く)

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