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【第6回】母の死、2度目の不合格。「私なんかが受かるはずない」
【全11回連載ストーリー:第6話】
こんにちは、菊地です。
思うように進まない介護と勉強の日々。
そしてついに、母との別れの時が訪れました。
年が明けて、母は緩和ケア病棟に移り、
私は日々の看取りと向き合うことになりました。
どこかで覚悟していたつもりだったけれど、
実際にその日が来たときの喪失感は、
想像を超えていました。
母の死後、ぼんやりとした日々を過ごしながらも、
やがて迫ってくる2回目の受験日。
何ひとつ準備が整っていないまま、
またも試験に向かうことになりました。
介護が終わり、試験もまたしても不合格。
失ったものの大きさに、進むことも戻ることもできず、
ただ立ちすくんでいました。
そんなとき、ハローワークで紹介された
産業カウンセラー講座に参加し、
そこで出会った人たちが、
「もう一度だけ、挑戦しよう」と思わせてくれました。
3回目は、思い切って通学コースに切り替えました。
教室に通えば、少しは集中できるかもしれないと
思ったからです。
しかし、そこにいたのは20代~30代の若者たち。
模試の結果を見せ合って談笑する彼らの輪に、
入ることはできませんでした。
年齢の違いだけでなく、3年目なのに理解が浅い自分に
劣等感を感じ、講師に質問しても、
的外れなことばかりを聞いてしまい、
さらに落ち込む毎日でした。
「私なんかが受かるはずがない」
「こんな年齢で何やってるんだろう」
そんな声が、何度も心の中で響きました。
それでも、あのときの自分を一言で表すなら、
「もがきながら、それでも前に進もうとしていた人」
でした。
朝4時に起きて、問題を解き、
間違えた箇所をノートにまとめる。
模試の結果に泣きながら、
それでも机に向かう日々の繰り返し。
誰にも見せられないような姿でしたが、
確かに私は、前に進んでいたのです。
(続く)