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【大人気!エコストア】自然派洗濯洗剤成分を読み解く
海外のナチュラル系の洗濯洗剤を手に取った時、日本の表示とは違うって思ったことはありませんか?
日本のラベルと並べると「こんなに入っているの?」と感じる方も多いと思います。
今回は、ニュージーランドのエコストアの洗濯洗剤を例に、日本と海外の成分表示の違いをわかりやすく整理しながら、ナチュラルクリーニング派としてどう選べばいいかをまとめました。
最近エコストアも日本で買えるようになって、ナチュラル派のライフスタイルの方には人気ですよね。私もニュージーランドに住んでいた頃にはこちらの洗剤にとてもお世話になっていました。
日本に帰国してからは、私は掃除も洗濯も
①アルコール
②石けん
③クエン酸
④重曹
⑤過炭酸ナトリウム
の5つだけで完結させています。
これはナチュラルクリーニング講師本橋ひろえ先生の実践講座を受講して学んだものになります。
キッチン、洗面所、浴室、トイレ、洗濯、どこでもこの5つでシンプルに、ナチュラルにキレイになります。
そして、汚れの種類と水温を理解していれば、思っている以上に簡単にキレイになります。ただ、これは“日本の多くの地域が軟水だからできる方法”でもあります。
ニュージーランドやオーストラリア、ヨーロッパ、アメリカなど硬水の国や地域では、実は石けんがうまく働かず、洗浄力が安定せず、石けんカスが多く残ったりします。
そのため、現地ではナチュラル派の人でも石けんではなく中性の合成洗剤を選ぶ必要があります。
合成洗剤と聞くと抵抗がある方もいますが、硬水地域で生活する場合は「必要な選択」になります。だからこそ、エコストアのように処方がシンプルなブランドが支持されているのだと思います。
ここからは、実際に成分表示の違いを見ていきます。
日本の洗濯洗剤は、家庭用品品質表示法に沿って
界面活性剤
アルカリ剤
金属封鎖剤
pH調整剤
水軟化剤
といった用途ごとの「くくり」で書かれます。
一方、ニュージーランドは化粧品と同じくINCIで、一つひとつの成分をそのまま記載している傾向がみられます。
そのため、全く同じ洗剤のはずなのに、見た目の成分数に大きな差がでます。また、何が入っているのかが具体的にわかるため、日本の洗剤の表示よりもわかりやすいというメリットがあります。
たとえば、エコストアの成分は次のように書かれています。
Aqua
Lauryl Glucoside
Caprylyl Glycol
Caprylyl/Capryl Glucoside
Oleic Acid
Sodium Bicarbonate
Sodium Carbonate
Sodium Citrate
Sodium Polyaspartate
Phenoxyethanol
Sodium Coco Sulphate
Tetrasodium Glutamate Diacetate
これを日本の「化粧品表示名称」に置き換えると、次のようになります。
水
ラウリルグルコシド
カプリリルグリコール
カプリリル/カプリルグルコシド
オレイン酸
炭酸水素Na
炭酸Na
クエン酸Na
ポリアスパラギン酸Na
フェノキシエタノール
ココイル硫酸Na
テトラカルボキシメチルグルタミン酸Na
このように置き換えてみると普段からコスメの裏を読む方にとっては「よく見かける成分」ですよね?
一方、日本で販売されている内容が同じ洗濯洗剤の表示ではどうでしょうか?
【成分】
界面活性剤(11%、アルキルグリコシド、アルキル硫酸エステルナトリウム)
金属封鎖剤
アルカリ剤
水軟化剤
pH調整剤
泡調整剤
とあって、実際になんの成分が使われているのかはわからない表示です。
そして、「界面活性剤(11%)」と2種類が記載されていますが、実際には3種類です。
なぜなら
アルキルグリコシド→ラウリルグルコシドとカプリリル/カプリルグルコシド
アルキル硫酸エステルナトリウム→ココイル硫酸Na
だからです。ちょっと難しいかな。
日本の表示が“目的ごとにまとめて書く方式”、海外が“一成分ずつ書く方式”です。
これが、海外の洗剤を見た時に「成分が多く見えてしまう」理由ですね。
ナチュラルクリーニングをしていると、成分が多い洗剤はなんとなく避けたくなります。
私自身も帰国してからはナチュラルクリーニングを実践しているのでその気持ちはよく理解できます。
でも、
・水質の違い
・表示のルールの違い
を知っておくといいですよね。
日本で暮らす分には、5つの洗材だけで十分すぎるほどきれいにできます。(洗剤ではなく洗材は本橋先生が使われていた言葉です)
でも、硬水地域では石けんがうまく働いてくれないのでシンプルな合成洗剤を選ぶのは自然な選択です。
どこに住んでいても「自分の生活に合った方法を選ぶ」ことが大切だなと思いますがいかがでしょうか?
化粧品の選び方もそうですが、暮らしをシンプルに整えると、肌にも心にも余白が生まれます。数字や名称にふりまわされず、ラベルの裏側にある事実をみて、自分の軸で選んでいきましょう。
心地よい暮らしのヒントを見つけていきましょうね。