炭酸美容家 髙橋弘美|コスメ・美容・スキンケアを学び・使うサロン

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クレンジングオイルは乾燥させる? 実は“落としすぎ”の本当の原因は“〇〇のしすぎ”だった

「クレンジングオイルは乾燥する」と聞いたこと、ありませんか?
「皮脂を取りすぎる」「肌がつっぱる」と感じて、クレンジングオイルを避けている方も多いと思います。

一方で、クレンジングバームはどうでしょう?「肌にやさしい」「ナチュラルで安心」という印象から近年、人気が高まっています。

同じオイルベースなのに、なぜ評価が分かれるのでしょうか。

実は、多くの人が「乾燥の原因」を勘違いしているんです。乾燥させているのは実は「オイルだから」ではなく、「洗いすぎ」なのです。

このメルマガでは、その理由を科学的・実践的な視点から整理していきますね!

【クレンジングオイルは本当に肌を乾燥させるのか?】
クレンジングオイルは、油性の汚れを「油で溶かす」仕組みで作られています。油分がメイクや皮脂汚れを浮かせ、界面活性剤がそれを水で洗い流しやすくする。

つまり「油を油で落とす」という理にかなった構造です。

クレンジングオイルを使って乾燥したと感じる場合、それはオイルの成分が原因ではなく、「使い方」が肌に合っていないことがほとんどです。

なぜなら、クレンジングオイルでメイクを落とした後に、さらに洗顔料を使う“ダブル洗顔”をしている方が多いからです。

【洗いすぎが乾燥の一番の原因】
肌には、皮脂・天然保湿因子(NMF)・細胞間脂質の3つの保湿要素があります。これらがバリアとなり、水分を逃がさず、外的刺激から肌を守っています。

ところが、クレンジングの後にさらに洗顔料を使う「ダブル洗顔」をすると、この保護膜まで取り去ってしまうことがあります。

本来必要な皮脂や細胞間脂質まで落としてしまうと、肌は“無防備”な状態になり、水分が蒸発しやすくなります。

つまり、乾燥の原因は「オイル」ではなく「洗いすぎ」。皮脂を完全に落としきった肌は、一見サッパリしますが、実際はバリアを失って敏感で乾燥しやすい状態です。

洗顔を重ねるよりも、クレンジング1回で完結するケアのほうが、肌にはやさしいということになりますね。

【クレンジングのタイプ別・特徴まとめ】
クレンジングオイルだけが「強い洗浄力」というわけではありません。タイプによって、洗い上がりも肌への感触も大きく異なります。
ではクレンジングのタイプをみていきましょう。

<オイル(リキッド・油系ジェル)>
液体状のオイルが主成分で、メイクとの相性が良くなじみやすいので、しっかりメイクを落としたい人に向いています。使用後にぬるま湯で乳化させてから洗い流すと、すっきりと仕上がります。

<バーム>
固形で、手のひらでとろける使用感が特徴です。ゆっくりマッサージしながらなじませる使い方が主流。「バームはやさしい」と思われがちですが、実は構造はオイルと同じ。違いは、使い心地とその感触でしょうか。

<ミルク・クリーム>
乳白色のやわらかいテクスチャ。しっとり仕上げたい方や、乾燥肌・敏感肌に向いています。
洗浄力はおだやかで、油分をほどよく残してくれるタイプ。

<ローション/リキッド/水系ジェル>
オイルを使わない“オイルフリー”タイプもあり、まつげエクステ対応としても人気です。
さっぱりとした仕上がりで、軽いメイクに適しています。あまり濃いメイクには向かないです。

<シートタイプ>
外出先でも使える便利さと手軽さがある。ただし、こすりすぎると摩擦ダメージになるため注意が必要です。やさしく押さえるように使うのがポイントです。

【クレンジングオイル=強い、は誤解】
クレンジングオイルの洗浄力が強いのは「油分が多いから」ではありません。

メイクなどの油分の汚れをオイルでなじませ、水と触れた瞬間に配合されている界面活性剤で乳化し、汚れを落とすという仕組みです。

配合されている界面活性剤の種類や量はそれぞれでメイクの油を浮かせて水で流しやすくするために欠かせない成分です。

界面活性剤と聞くとよく「刺激が強い」「肌によくない」と思われがちですが、実は種類ごとに性質がまったく異なります。

しっかり落とすものから、敏感肌向けのやさしいタイプまで幅広く存在します。

配合されている界面活性剤の種類や量はそれぞれです。

界面活性剤と聞くとよく「刺激が強い」「肌によくない」と思われがちですが、実は種類ごとに性質がまったく異なります。

例を3つ挙げてみます。
⚫︎ポリグリセリル系(ラウリン酸ポリグリセリル-2、ペンタオレイン酸ポリグリセリル-10など)
植物由来のグリセリンをベースにした穏やかな界面活性剤。洗浄力はおだやかで、肌のうるおいを残しやすく、乾燥肌・敏感肌向けのクレンジングによく使われます。

⚫︎ソルビタン系/ポリソルベート系
ソルビトール(糖)由来で、肌あたりがやさしく安定性が高いタイプ。
日常使いのクレンジングやバームなどに多く配合されています。

⚫︎PEG系(ポリエチレングリコール系)
洗浄力が高く、濃いメイクやウォータープルーフ処方に対応。しっかり落としたい人向けですが、乾燥肌にはやや強く感じることもあります。


つまり、同じ“クレンジングオイル”でも、どんな界面活性剤で乳化するかによって、洗浄力も肌へのやさしさもまったく違うのです。
「界面活性剤=悪い」というのは誤解であり、正しく選べば、肌に必要な“やさしい洗浄”を支える重要な成分です。

【成分で見る“落としすぎない”クレンジング選び】
化粧品の裏を見ると、たくさんの成分名が並んでいますよね。でも次の3つのポイントを押さえると、自分の肌に合うクレンジングを見極めやすくなります。

⚫︎オイルの種類
・植物オイル(ホホバ油、オリーブ油、米ぬか油など)は、保湿力が高く肌になじみやすい。
・エステルオイル(トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルなど)は、軽くて洗い流しやすい。
・炭化水素系オイル(ミネラルオイル、スクワランなど)は酸化しにくく安定性が高い。

⚫︎界面活性剤のタイプ
成分欄で「ポリグリセリル」「ポリソルベート」「PEG」と書かれている部分に注目。「ポリグリセリル」などが多ければ穏やか設計、「PEG」が多ければしっかり設計、と覚えておくと便利です。

⚫︎ ダブル洗顔不要タイプを選ぶ
洗いすぎを防ぐには、クレンジングだけで完結するタイプが便利で肌にも負担が少ないです。洗顔料を重ねるより、肌への摩擦も乾燥も防げます。

【正しい使い方で乾燥を防ぐ】
⚫︎乾いた手と顔で使う
水がついた状態だとメイクとなじみにくくなりメイク汚れがきちんと落ちません。必ず乾いた状態で使いましょう。

⚫︎乳化させてから洗い流す
指が軽くすべるようになったら、少しずつぬるま湯を加えて白く濁らせ、乳化させて流します。この工程をしっかりすると洗い流しやすくなります。乳化が不十分だとオイルが肌に残りやすく、乾燥や毛穴詰まりの原因になることもあります。

⚫︎洗ったあとはすぐに保湿
クレンジング後は肌が一時的に無防備になります。タオル等で軽く押さえて水分を拭き取り、できればすぐに化粧水や乳液を塗布してお肌を保湿しましょう。


【肌は「落とす」と「整える」ケアが大事】
クレンジングは「落とすケア」だけではなく「整えるケア」でもあります。

肌の汚れを落とすことだけでなく、次に使うスキンケアをなじみやすくするための大切な準備です。
そして洗いすぎず、うるおいを残し、肌のバリアを守る。それが、美しさを育てる第一歩です。

【まとめ】
・クレンジングオイルが乾燥させるのではなく、原因はダブル洗顔による“洗いすぎ”
・ダブル洗顔を避けて、1回で完結できるタイプを選ぶこと
・ポリグリセリル系など穏やかな界面活性剤は乾燥肌や敏感肌にはおすすめ
・クレンジング後はすぐに保湿し、肌のうるおいを逃がさないこと!

私が開発した炭酸泡クレンジングオイルは、この考え方をもとに“洗いすぎない処方”で作っています。肌のうるおいを守りながらメイクを落とす、整えるクレンジングです。
あなたの肌で、ぜひ違いを感じてください

こちらから↓
https://ec.tsuku2.jp/items/03512202225130

<出典・参考>
厚生労働省「化粧品・医薬部外品等に関する情報」
日本化粧品工業連合会「化粧品の基礎知識」「洗浄料」
日本化粧品検定協会「洗浄と保湿の科学」
化粧品成分データベース(INCI・CIR情報)

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