🌿「自然」とは、均一ではないということ

すなわち、自然は個性を育む！
自然療法の世界にいると、ときに「天然」でありながら「工業製品のような均一性」を求める声に出会います。
確かに安心感や信頼性という観点からは理解できることですが、少し立ち止まって考えてみたいのです。

りんごも、みかんも、同じ形をしていたら少し気味が悪いでしょう。
産地が違えば、香りも味も食感も変わります。
それは自然の「個性」であり、「生命のゆらぎ」です。

同じことは、精油やハーブティー、クレイにも言えます。
同じ植物名・学名であっても、育った土地の気候、採取された季節、乾燥や熟成の過程によって、香りも効能も微妙に変わります。
その違いこそが、本来の自然の魅力であり、私たちが自然療法を学ぶ意味でもあります。

しかし、人は意外なほど保守的です。
「いつも使っているブランドが安心だから」と、他を試してみる機会を失ってしまう。
でも私は、視野を広げることこそがセラピストの成長だと思います。

地球温暖化が進み、気候も土壌も毎年のように変化しています。
植物の生き方も、私たちの感じ方も変わっていく中で、「同じであること」に価値を置くより、
「違いを感じ取る感性」こそがこれからの時代に必要なのではないでしょうか。

都会の生活では、均一で便利なものに囲まれています。
だからこそ、自然に触れる時間は、「違い」を味わい、「個性」に気づく時間であってほしいと思います。