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自然療法はまさに「贈与」の感性

🌿 自然療法と「贈与」の感性

― 西行・芭蕉からマルセル・モースへ ―


日本の詩心にみる「贈られるもの」

西行は

「何事のおはしますをば知らねども」
と詠み、芭蕉は
「何の木の花とはしらず匂哉」
と歌いました。

どちらも「それが何であるかはわからない。けれど確かにそこにあり、恵みを受け取っている」という感覚を表しています。
これは曖昧さではなく、自然を前にして心をひらく感性です。

「贈与」という考え方

フランスの社会学者マルセル・モースは『贈与論』で「贈与」という概念を示しました。
贈与とは単なる贈り物や交換ではなく、贈り物を通して人と人がつながる行為。

自然からの恵みも同じで、理由を超えて「受け取る」こと自体がつながりを生むのです。

岡本太郎画伯もパリ留学中にモースの影響を受けました。
太陽の塔の内壁画に描かれた生命の循環には、その思想の痕跡が見えるとされています。

植物療法は「贈与」である

アロマ、ハーブ、クレイ――自然療法はすべて、自然からの贈り物です。

科学的には:成分や作用を明らかにする

文化的には:贈与として受け取り、感謝や畏怖を抱く

この二つが重なったとき、植物療法は単なる医療や商品を超えて、人と自然、人と人を結ぶ営みになります。

🌱 次回予告

🌱 次回予告
次回は「植物療法と『贈与』の思想」をさらに掘り下げていきます。

自然からの恵みをどう受け取り、どう分かち合うのか。
西行や芭蕉の感性とモースの贈与論が響き合う世界を、
一緒に旅しましょう。

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