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第3話 わたしとカンナキッチン おにぎりの思い出🍙
お盆休みが終わり今日から日常が始まった方も多いのではないでしょうか?
今日はそんな普通に戻った時に食べたくなるおにぎりの思い出を綴りました。
第3話
わたしとカンナキッチン
夏の午後の白いおにぎり🍙
日差しがギラギラと肌を刺すような昼下がり。
店の仕込みを終えたあと、いつもより静かなキッチンに立つと、なんだか「白いもの」が食べたくなった。
派手じゃない、でもまっすぐで、ごまかしのない味。そんな気分の日ってありませんか?
炊きたてのごはんをひと口食べて、ふう、と息が抜けた。
ああ、これこれ。ちゃんと炊けたごはんの甘さって、どうしてこんなに沁みるんだろう。
今日はおにぎりにしよう。
具はなにもいらない。ただ塩だけ。
ぎゅっ、ぎゅっ、とにぎりながら、私は遠い日の母を思い出す。
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小さかったころ、私は食が細くて、母は毎朝のお弁当に工夫をこらしてくれていた。
海苔で顔を描いたおにぎり。
花みたいにギザギザに切られた海苔。
おにぎりが、まるで誰かの小さな贈り物のように見えた。
お弁当の時間が、私にとって安心できる時間だったのは、
きっとあのおにぎりたちが、母の「大丈夫よ」を語ってくれていたからだと思う。
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あのときの私は、まだ自分の気持ちもうまく言葉にできなかったけど、
“おにぎり”という形で、やさしさを受け取っていた。
そして今。
あの日の母と同じように、私も誰かのためにごはんを作っている。
「大丈夫だよ」と言いたくて、今日もごはんをにぎっているんだなあ、って思う。
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🍙今日のレシピ
白い塩むすび
【材料】(2個分)
・炊きたてのごはん…茶碗2杯分
・塩…少々
・好みで海苔、白ごまなど
【作り方】
1. 手を清潔に洗い、指先を水でぬらす。
2. 手のひらに塩をひとつまみのせ、ごはんを取る。
3. 優しく、でもしっかりにぎる(握りすぎないのがコツ)。
4. そのままでも、海苔を巻いても。
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ひとりで食べる塩むすびも、誰かのためににぎる塩むすびも、
そこに込める気持ちは、そんなに違わないのかもしれないね。
今日のごはんで、
またちょっと“わたし”に戻れた。
【私のおすすめ】
東京門前仲町にある薬膳料理のお店が扱うエゾウコギは、オーナーマダムの体験からも自信をもってお勧めするお品です。
https://ec.tsuku2.jp/items/49505822540250?t=3&Ino=000010969400