この思いは2016年に書いたものですが、変わらない思いなので、再度ご紹介させて頂きました。
私自身の個人的な今年の抱負としては、食べ物を大切にしたいがやはり一番です。
私達は、多くの食料を輸入に頼ってにも関わらず、今の日本は、食べるよりも捨てる方が多いのが現実です。
それもスゴイ量の食べ物を毎日捨て続けています。少し前（昭和４０年代）までは一粒のお米さえ無駄にしていなかった国民がです。
本当に狂っているとしか思えません。
例えば、モンゴルの遊牧民は羊を一切無駄にせずに食べます。血や骨も無駄にすることがありません。
アラスカのエスキモーは、アザラシ、クジラ、カリブーなどが主食ですが、一切無駄にすることなどありません。
それが今の日本はどうでしょうか？
魚一匹でさえ、ちゃんと使い切れていません。食材の多くがそうやって捨てられているのです。
それだけではありません。そうやって散々無駄にした食材で作った料理を食べ残す。
それ以外でもお弁当の賞味期限切れ、生鮮品の売れ残り、レストランなど飲食店の食べ残し、作り過ぎなどなど。
ちょっと、食べ物の無駄を考えてみるだけで、食べているより捨てている方が多いと思えてしまう程です。

日本の食品廃棄物は２１８９万トンと言われています。
一人当たりにすると、１７１ｋｇだそうです。家族４人だと６８４ｋｇにもなります。他のハナシではなく、これが私達の食べ物の現実です。
その内の６８％に当たる１２５０万トンが家庭から出る生ゴミで、その中で貝殻や魚や肉の骨などの食べられない部分は５％だったそうです。
２１８９万トンを捨てる為にどれだけの無駄なエネルギーが使われていることか。捨てる為に作り、殺し、工場で加工し、トラックや飛行機で輸送し、伝票を発行し、ポリ袋やプラスチックケース、ダンボール箱に入れられて、明るい店内に並べられる。それをガソリンを使って買いに行って、さんざん無駄な調理をして捨てているのです。
その無駄を作り出す為に会社に行って一生懸命仕事をしている訳です。
その無駄なエネルギーを時間に換算したら、働かなくてもいい時間はかなりなもんでしょう。
その無駄な部分を少しでも省くことで、安く販売することができ、安全で質の高いものを作ることも可能となるのではないかと思います。
何より、無駄なエネルギーを減らすことは、乱暴な環境破壊を防ぎ、自然環境へ与える負荷を減らすことが可能となります。
私達は食べることで生きていますが、その食べ物は、動物であれ植物であれ全て命です。
食事の前に「いただきます」と言って手を合わせることは、自分達が生きる為に殺してしまった命に対して、「その命をいただきます」という感謝の思い（合掌）です。
食べ物を安易に捨ててしまうのは、この本当の事実と他者の命によって自分が生かされているのだ、という感謝の思いを忘れてしまったからなのではないかと思うのです。
そして、その捧げられた命に対して自分はどのように生きているのか？
私は釣りが好きなのですが、魚が針にかかると本当に必死、死ぬ物狂いで抵抗を続けます。生きよう（逃げよう）とする執念はスゴイものです。
その真剣な命を頂いている自分は、その命を頂く価値のある生き方をしているのか？
食べ物を無駄にすることは、他者の命だけでなく、自分の命にさえ無頓着になっていることにつながるのではないでしょうか？
それは、本来の健康とは程遠いものでしょう。
食べる。ということがどのような意味を持っているのか？
そのことを常に忘れずに自分の命を与えてくれる命に感謝して、少しでも無駄なく食材を大切に使って行きたいと強く思っています。

つつましく
　人間は万物の霊長と言われています。というか、それを言ってるのは人間ですが（笑）
もし、本当にあらゆる生き物の中で人間が最も優れているなら、こんなに他の生命を殺したりしないでしょうし、地球を壊したりしていないでしょう。
何より、同じ種である人間同士が争うことなどないでしょう。
全ての命がイキイキと健康で、無駄がなく、調和が取れ、どの命も大切にして生命に溢れた美しい地球にすることが出来るのが万物の霊長でしょう。
でも、どっかに人間の方が偉いんだという勘違いがあります。
常に「つつましく」を忘れずに他の命に対して少しでも優しくなりたいと思います。

少しでもすくなく
　金も物もとにかくいっぱい持っている人が勝ちみたいな価値観がありますが、それはそのように洗脳されているからに他なりません。
沢山持たなきゃ生きることが豊かさでなく、少しでも満足して生きていられることが豊かさなのだと思います。
１０あったら便利だけど、８でもなんとかなるなら８を選択したいと思うのです。それが他者の命に対しても優しい選択になるのではないかと思います。
川原　智道