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〜日本文化に息づく「庚申の日」と茶道のひととき〜
日本の文化に触れるひとときは、特別な心の安らぎを与えてくれるものです。
今日は、日本の暦に深く関わる「庚申(こうしん)の日」についてお話ししたいと思います。
この特別な日と茶道の精神がどのように共鳴し合うのかを探ってみたいと思います。
庚申の日々、日本文化に通じて機会に触れて頂ければ幸いです。
庚申の日とは?
「庚申の日」は、干支(十干と十二支)の組み合わせによって60日に一度巡って来る特別な日です。
2024年の庚申の日は、本日10月23日です。
この日は、古代中国の道教に由来する信仰を踏まえており、特に「三尸」 (さんし)」という虫が体内に住んでいて、
庚申の日の夜に天に昇り、その人の悪行を天帝に報告すると考えられました。
夜を徹して「庚申待ち(こうしんまち)」を行い、三尸が天に昇らないよう寝ずに過ごしたのです。
ただ、この信念は恐れだけに基づくものではなく、自分自身を振り返り、
善行を優先することの重要性を教えるものでもあります。そういう日としての意味も持っていたのです。
平安時代の庚申信仰と茶道の精神
庚申の日の風習は、平安時代の貴族たちの日記にも記録されています。内省の時間として、
静寂の中で自らの行動を振り返り、朝を迎えることが庚申の日の過ごし方とされていたのです。
この「静寂」と「内省」という姿勢は、茶道の精神と共通しています。
茶道もまた、派手な演出を求めるものではなく、心を落ち着かせ、
周囲との調和を大切にしながら、一つの茶碗を自ら見つめ直す行為です。
庚申の日に貴族たちの心の内側を見つめたように、
私たちも茶室の中で静けさを味わい、自分と向き合うひとときを大切に大切にしています。
現代における庚申の日と京都・八坂庚申堂
現在も、京都市東山にある「八坂庚申堂(やさかこうしんどう)」には、
庚申の日を特別な日として差別風習が残っています。このお堂は庚申信仰の拠点として知られ、
60今日一度の庚申の日には本堂で「護摩焚き」や「こんにゃく焚き」が行われます。参拝者が訪れます。
このように庚申の日は、過去のものではなく、現代においても日本人の心の中に息づいている特別な日なのです。
日本文化の根本的な精神に触れることができるでしょう。
現代における庚申の一日の過ごし方
古代の人々は、庚申の日の夜に「三尸」が天に昇って悪行を報告するのを恐れていましたが、
実は三尸は善行も報告します。積み重ね、ポジティブな報告が日に届くように前向きな捉え方ではないでしょうか。
この庚申の日には、自分の行動を振り返り、善行を確認し、未来に向けた新たな目標を立てる良い機会です。
茶道もまた、日常の話し合いを離れ、静かな茶室の中で心を整える、
これまでの自分を振り返る場所です。茶の一服をいただくその瞬間、
私たち内部の調和になる一時とし、心静かに新たな一歩を踏み出す準備ができます。
庚申の日の夜には、早めに休むことで、心身ともに整え、良い報告が天に届くよう備えても良いかもしれません。
静寂とともに過ごすひとときが、皆様の心を落ち着かせて、これからの毎日を豊かにすることを願っています。
ぜひ、庚申の一日のお茶の一服を楽しみながら、日本の伝統文化に思いを馳せてみてください。