こんにちは！
十条銀座「誠真堂鍼灸院」院長の東です。

前回からお話ししている
「小麦粉（国内製造）」という食品表示。

復習になりますが、
このように表示されている食品は、
「小麦を製粉して小麦粉にしたのが国内」
だということです。

ですから、
小麦粉の原料となる小麦は、
ほぼ外国産と考えて良いでしょう。

このように、今の食品表示法では
私たちが知りたい「小麦の原産地」が
分かりにくくなってしまっています。

そして、これが私たち消費者に
どのような影響を与えているのでしょうか…。

今回は、それをお話ししたいと思います。


◆小麦の原産地情報の重要性

前回、少しお話ししましたが、
小麦に含まれる農薬などを気にする方は、
できるだけ国産小麦のパンを
買いたいと思うでしょう。

ご存じの方も多いでしょうが、
小麦の産地は、食の安全にも関わる
重要な情報なのです。

なぜなら、外国産の小麦には
「グリホサート系除草剤」や
「ポストハーベスト」などの
農薬の残留リスクが非常に高いからです。

そして、
海外では規制が強化されている中、
日本だけその基準が緩和されています。

今回は、
「グリホサート系除草剤」について
詳しくお話いたします。


◆グリホサート系除草剤「ラウンドアップ」

外国産小麦は、プレハーベストが
行われています。

プレとは「前」、
ハーベストは「収穫」
という意味ですから
「収穫前に除草剤を散布する」と
いう意味です。

収穫前の畑に実っている小麦に
除草剤を散布して全て枯らしてしまうことで、
収穫を２週間ほど早めることができるのです。

除草剤ですから、
本来は作物の生育を妨げたり、
人間の生活を妨げる雑草を駆除する目的で
雑草に散布するものです。

それを外国では
食品の原料となる小麦に
使っているということです。

このプレハーベストで
主に使用されている除草剤は、
「ラウンドアップ」という商品名で
日本でもホームセンターなどで
販売されています。

主成分は「グリホサート」であるため
グリホサート系除草剤のひとつです。

このラウンドアップは、
日本語に直すと「一網打尽」という意味で、
安価で雑草を枯らす効果が非常に高く、
1970年代に世界中で売れまくった除草剤です。

しかし、
その主成分である「グリホサート」は、
アメリカで約3200億円の賠償金が
支払われる事件が発生したことをきっかけに
発ガン性があるとして
世界的に注目を集めました。

そして、2015年、
世界保健機関（WHO）の外郭団体である
国際がん研究機関（IARC）が
その発ガン性を５段階の危険度のうち
上から２番目である
「ヒトに対して恐らく発ガン性がある」
に評価したことで、
EUでもグリホサートを使用禁止にする国が
複数出てきました。

そして、アメリカでも2023年から
一般消費者への販売を禁止しています。

このように、グリホサート系除草剤は、
世界的には規制強化の流れです。


◆日本では…

しかし、日本は
2017年にアメリカからの要請で
「小麦からのグリホサート摂取限界値」を
それまでの値の６倍にまで緩めました。

アメリカの農家で
ラウンドアップの使用量が増えているため、
日本へ輸出しやすくするために基準緩和を求め、
日本はそれに素直に従ったということですね。

現在では、
日本の内閣府食品安全委員会は、
グリホサートに発ガン性、神経毒性、
繁殖能に対する影響、催奇形性、
遺伝毒性は認められていない、と
結論づけています。

しかし、本当に安全なのであれば
あえて原産地を分かりにくく
表示する必要はあるのでしょうか…。

農民連食品分析センターの検査によれば、
日本で売られているほとんどの食パンから
グリホサートが検出されているようです。

そして、当然ながら、
「国産」や「十勝産」と書いてある
食パンからは検出されていません。

国内では、ラウンドアップは
雑草にのみ使われているため、
検出されるはずはありませんよね。


その５に続きます。


誠真堂鍼灸院
東　洋史

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