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ドベ2からてっぺん 中Iまるちゃん編
まるちゃんは、私が某大手個別塾で講師をしていた時の生徒です。中1から指導していましたが、時間にルーズで遅刻が多く成績は赤点だらけ、宿題も全くしてこない生徒でした。
授業中は常にスマホを隠し持ち、彼氏からのメールが来るとトイレに走るという日々。当然気は散漫、毎回ワークの1ページさせるのかやっとという感じでした。
もっと分かりやすい問題を反復させて、しっかり理解させたいと思っても、大手塾は塾の方針や指導の仕方が各校舎統一されているため勝手な事は出来ません。これではマズイと思っても直接保護者様と相談することも出来ないので、どうにもならない苛立ちが溜まってきたある日の事でした。
「先生、明日さー学校で社会の追試あるんだけど、出来んと学校でドベになっちゃうんだわ笑、今ドベ2だけどさ、ドベの子だけには負けたくないんだわ笑」「ドベ2だったのかい泣、それはマズイ、絶対に満点採るぞ!」
その日は社会の丸暗記、幸い同じテストを追試するという事なので、一つ残らず暗記させ、テストのコピーを何度もさせて完璧にしました。
次の日「先生〜満点だった満点〜私生まれて初めて採った満点すごいすご〜い。まるちゃん大興奮。なぜ今まで誰も暗記を手伝ってあげなかったのかは分かりませんでしたが、この時から私へのまるちゃんからの信頼度は爆上がりしたのでした。
私の指導を真剣に聞き、取り組んでくれる生徒に変身したまるちゃん、先ずは社会でクラス2位を獲得、自ら参考書や問題集を購入し持ってくるようになりました。その量は日増しに増えていき授業時間内に添削が終わらず大変だった事を覚えています。
社会で学年トップになるのはココから2回目の期末テストとあまり時間はかかりませんでした。学年ドベ2がトップですから、噂は広がりまるちゃんは学校で有名人、同級生から勉強を教えてと言われることが増えていったそうです。
「先生、私さあ数学出来んのにさー教えてって言われるんだわ。教えれるように教えて欲しい…」
「いいよー誰かに教えるって事は本当に理解していないと出来ないから、頑張るんだぞ!先ずは…」
まるちゃんの知識の吸収力とテストの快進撃の勢いは凄かったです。中2の最後に総合学年トップとなった彼女は個別塾を辞め集団塾へ転校していきました。最後の授業でくれた手紙には「今度の塾でもてっぺん獲るね。まる」と書いてありました。
まるちゃんは私が塾を新規開校するきっかけをくれた生徒の1人です。彼女との出会いは私に指導の楽しさと嬉しさを教えてくれました。
ありがとう まるちゃん!