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must と have to の違いについて
こんにちは。Victory学院の山崎です。
いつもお読み頂き、誠にありがとうございます。
中学校で習った英文法で、あなたは
「must」と「have to」が書き換えができる
と習ったと思います。
「must」も「have to」も両方とも
「~しなければならない」
という意味になると。
覚えていますか。
つまり、
「I must study English.」は、
「I have to study English.」
に書き換えられるし、逆もできると。
実は、私もずっとそのように思っていました。
そこで、ある時、私の中で、
「本当にイコールなのだろうか」
という疑問が浮かび、
イギリス人の友人に聞いてみました。
彼はこのような例を出して説明してくれました。
友人のA君とB君の2人が仲良く飲んでいました。
久しぶりだったので、話が盛り上がり、時間を忘れて
話し込んでいました。
しかし、
ふと、時計を見てみると、23時を過ぎていました。
A君はそろそろ帰らないと明日の朝、起きれるか
心配になってきました。
そこで、A君は言います。
「I must go home.」
(家に帰らなきゃ)
しかし、これを聞いたB君は、
「まだ、大丈夫じゃん。久し振りだぜ。飲もう飲もう。」
と引き留めました。
A君は、「久し振りだし...」と思い、
再び、飲み始めました。
ところが、しばらく飲んでいると、トイレに行きたくなり、
「ちょっと、トイレ」とA君はトイレに向かいました。
トイレに行く途中で、壁の時計が目に入りました。
「0時34分」
その時間を見た途端、A君は奥さんの顔を
思い出しました。
「12時を過ぎる時は連絡する」
という約束を思い出しました。
A君は青ざめました。
「ヤバい!!」
トイレに行く事も忘れ、
B君のいるテーブルにかけ戻り、
「I have to go home. My wife is angry at me.」
(家に帰らなきゃ。かみさんが怒っている)
とB君に行って、帰ろうとしました。
B君は、A君の言葉を聞いて、
「OK.Bye.」と言って、A君を見送りました。
話は以上ですが、
あなたは「must」と「have to」の違いに
気がつきましたか。
「Must」と「Have To」の意味の違いは、
実は、「must」は、話し手の考えに基づくもので、
「have to」は外部的要因が絡んでくる
ものなのです。
つまり、A君が最初に言った「must」は、
自分の考えに基づくものでしたが、
2回目に言った「have to」は、
「おくさん」という外部的要因が絡んでいるのです。
別の言い方をすれば、「must」と「have to」は
両方とも「義務」「必要性」の意味がありますが、
「must」の方は、「主観的な義務」、
つまり「自身の義務」の意味あいがあるのに対して
「have to」の方は、「社会的、一般的な義務」、
「外的要因の義務」
の意味合いになるということです。
別の例を出します。
「You want to go to Hawaii? You have to get a passport.」
(ハワイに行きたいの?パスポートを取らなきゃね。)
この場合、海外に行くためにはパスポートが必要です。
この「一般的な義務」があるので、「have to」が使われます。
ところで「Mustを使う時の注意点」があります。
次の例です。
「must」は、話し手がYouなどの二人称 や
HeやSheなどの三人称を使った時、
その話し手が指す相手よりも強い権限を持っていること
を意味します。
例えば、上司が部下に対し、
「You must come to the office by eight tomorrow morning.」
(君は明日朝8時までに出勤するように)
と言えますが、部下が上司に対し
「You must check my report.」
(あなたは私のレポートをチェックしなければなりません。)
とは言えませんよね。
(厳密には、「言えます」が、その後、その上司と部下の関係は...)
また、
かなりぽっちゃりした女性があなたと友人の
横を通り過ぎるのを見て、
「She must stop eating junk food.」
(彼女はジャンクフードを
食べるのをやめなければならない)
とも言えます。
これは「話し手の主観」です。
主語が自分の場合には、「自身の義務」となります。
例えば、
「My car is dirty. I must wash it this weekend.」
(車が汚れているな。今週末に洗わなきゃ)
となります。
因みにイギリス人の友人が勧めてくれた参考書
『Practical English Usage』
(Michael Swan著、Oxford出版)
の例文は、
I must stop smoking. (I want to)
(私はたばこをやめなければならない。やめたい)
I’ve got to stop smoking. (Doctor’s orders)
(私はたばこをやめなければならない。医者の指示)
とありました。
例文の
「I’ve got to~」
は
「have to~」
と同じです。
結構、
会話で使われます。
もう一つ例文を。
This is a terrible party. We really must go home.
(これはひどいパーティだ。私達は帰らなければならない)
This is a lovely party, but we’ve got to go home because of the baby-sitter.
(これは素敵なパーティだけど、ベビーシッターのために帰らなければならない)
こんな感じで「must」と「have to」の違いがつかめたかと思います。
では、「過去形の場合」はどうなるでしょうか。
「have to」は、過去の話、
つまり、
「~しなければいけなかった
」という場合には
「had to」に変わりますが、
「must」には過去形はありません。
よって、
過去の話は「had to」を使って下さい。
「There was an accident at the train station.
So I had to take a taxi to go to the airport.」
(電車の駅で自己があったので、空港にいくためにタクシーを
使わなければいけなかった)
となります。
なかなかニュアンスをつかむのが難しいかもしれませんが、
しっかりと身につけてくださいね!
今日はここまでです。
では、またお会いしましょう!!
前回と今回は昔、ブログに書いたものに加筆修正を
加えたものです。
非常に重要だと思い、メルマガにも掲載させて
頂きました。
ご了承下さい。