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医食同源!日本食のチカラ 〜梅干し編②〜【東洋医学の智恵袋 vol.41】
こんにちは!
十条銀座「誠真堂鍼灸院」院長の東です。
現在、日本で梅の生産量が
最も多いのは和歌山県です。
収穫される梅は、高品質な
「紀州梅」として有名ですね。
なかでも、田辺市とみなべ町の
梅の収穫量は全国の収穫量の
約65%を占めており、
みなべ町発祥の「南高梅」は
最高級ブランドとして名高いです。
江戸時代初期、
田辺領(田辺市とみなべ町)は
米が育ちにくい痩せ地や
傾斜地が多い土地で、
農民は年貢の負担に苦しんでいました。
そこで、領主である安藤直次が
荒れ地に梅を栽培すれば
年貢の負担を減らす、として
梅の栽培を奨励しました。
それをきっかけ
梅の栽培が盛んになったと
いわれています。
当初は、品質が悪く
「やぶ梅」と呼ばれていましたが、
約100年後の八代将軍吉宗の頃には
将軍が絶賛するほどの
品質になっていました。
今では高品質な梅を持続的に
生産できる方法が確立され
2015年に「みなべ・田辺の梅システム」
として世界農業遺産に認定されるまでに
なっています。
たまに、和歌山出身の患者様から
紀州梅をいただくのですが、
やはりとても美味しいですね!
品のある味と香りは、やはり特級品です。
◆ 梅はその日の難のがれ
さて、「梅はその日の難のがれ」という
ことわざをご存じでしょうか?
これは、朝梅干しを食べておくと
その日の病から逃れられるという
昔からの言い伝えです。
梅干しは、昔から殺菌や疲労回復など
様々な効果があると言われてきました。
そして、近年、研究によって
身体によい成分を含んでいることが
明らかになっています。
今回は、東洋医学的に
梅の実の持つ効能をご紹介いたします。
◆東洋医学的な梅の実の効能
梅の実は、
中国の最古の薬学書「神農本草経」に
「烏梅(うばい)」という生薬として
記載されています。
梅の未成熟な果実を燻製にしたもので、
燻製にすると外皮が黒くなるため
「烏(からす)」の文字が
頭に付けられるようになりました。
中品(体力を養う薬)に分類され、
「収渋薬」に属します。
収渋薬とは、
引き締めて漏れを止めたり
固めたりする作用がある
薬のことを言います。
例えば、ダラダラと出る汗や下痢、咳、
おりものなどを止める薬効があります。
そして、烏梅は
主に以下の効能があるとされています。
◯肺の機能を回復させ
咳を止める(斂肺止咳)
◯脾(胃腸)の機能を回復させ
慢性の下痢を止める(渋腸止瀉)
◯唾液分泌を促し、不足している
水分を補う(生津止渇)
◯婦人科器官を整え、
不正出血を止める(固崩止血)
◯回虫を弱らせ、
腹痛・嘔吐を緩和する(安蛔駆虫)
また、日本でも、
江戸時代中期に編纂された百科事典
「和漢三才図会(わかんさんさいずえ)」
の86巻梅の項に、
白梅(梅干し)と烏梅の記載があります。
それによると、
「烏梅」は悪性流行性疫病を治し、
鎮咳や解熱に効果があり、
「白梅」はおできや乳腺炎に
薬効があるそうです。
その3に続きます
誠真堂鍼灸院
東 洋史
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