元校長社会福祉士上村伸雄|うっのまいサロン

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教育にはいつ投資すべきか

皆様 お元気ですか 社会福祉士の
ノブちゃんです

 最近読んだ本「学力の経済学
(中室牧子著)」の中に「教育に
はいつ投資すべきか」というのが
ありました。

 著者は,文部科学省の調査によ
ると,家計が大学卒業までに負担
する平均的な教育費は,幼稚園か
ら大学まですべての国公立の場合
で約1000万円,私立の場合約
2300万円かかると述べていま
す。これらのお金をいつかけた方
が最も将来的に効果的かについて,
就学全教育(幼児教育)に人的資
本への投資をすべきであると言っ
ています。

 人的資本とは,学力に関するも
のだけでなく,しつけなどの人格
形成や体力や健康等への支出も含
んでいます。必要な内容として,
IQや学力テストでの能力,つま
り「認知能力」は短期的な影響し
かないが,「非認知能力」は「忍
耐力」「社会性」「意欲的」と
いった人間の気質や性格的な特徴,
一般に「生きる力」が「将来の年
収,学歴や就業形態などの労働市
場における成果にも大きく影響す
ることが明らかになってきた」と
述べています。

 重要な非認知能力として「自制
心」,「やり抜く力」をあげてお
り,日本の研究でも「しつけを受
けた人は年収が高い」として,そ
のしつけは,4つの基本的なモラ
ル(=ウソをついてはいけない,
他人に親切にする,ルールを守る,
勉強する)をしつけの一環として
親から教わった人は,年収が高い
ということです。その理由は親が
幼少期のしつけをきちんとし,基
本的なモラルを身につけさせるこ
とは,勤勉性という非認知能力を
培うための重要なプロセスであり,
このしつけによって育まれた勤勉
性が,平均的な年収の差につな
がったとあります。

 教育経済学者である著者は,科
学的根拠,すなわちデータ・エビ
デンスが決着をつけるとして,ア
メリカ合衆国等での研究を通して,
幼児教育に最も教育投資をすべき
であると述べていました。

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