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ファスティングのすすめ その5【東洋医学の智恵袋 vol.17】
こんにちは!
十条銀座「誠真堂鍼灸院」院長の東です。
2023年初めてのメルマガです。
今回もファスティングと認知症の
関連についてお話ししようと思います。
ご参考になれば幸いです。
さて、ファスティングの効果の一つに
「オートファジー(Autophagy)」と
呼ばれる身体の機能が発揮されること
が挙げられます。
Autoはギリシャ語で「自己」、
phagyは「食べる」の意味です。
直訳すると「自分自身を食べる機能」...。
一体どういうことでしょうか。
◆ノーベル賞を受賞した「オートファジー」
オートファジーとは、
「古くなったタンパク質を
体内で新しく生まれ変わらせる仕組み」
のことをいいます。
人間が生きていくためには、
様々なタンパク質の働きが不可欠です。
しかし、ファスティングなどで
栄養が足りない状態になると
十分なタンパク質が作れなくなります。
すると、身体は
体内にある不要なタンパク質を分解し、
新しいタンパク質を作り出すのです。
簡単に言うと
「タンパク質のリサイクル」ですね。
つまり、古いタンパク質を材料にして
新しいタンパク質を生み出す仕組み。
この仕組みにより、
体内の古い不要なタンパク質が除去され、
病気の予防につながるのです。
2016年、東京工業大学の大隅良典栄誉教授が
この「オートファジー」の研究で
ノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
その後、オートファジーは世界中で研究され
がん、生活習慣病、心不全、感染症など、
さまざまな重要疾患の発症を
抑止していることが明らかになっています。
◆ファスティングと「オートファジー」
前回お話しした通り、
アルツハイマー型認知症の原因は、
「アミロイドβ」という不要なタンパク質が
脳内に蓄積し「老人斑」という
シミになってしまうことでした。
しかし、ファスティングによって
体内でオートファジーが起これば
古くなった不要なタンパク質は
新しいタンパク質に生まれ変わり
「アミロイドβ」が蓄積することは
なくなります。
この古いタンパク質が脳内に蓄積して
発症する病気は、アルツハイマーの他に
パーキンソン病があります。
パーキンソン病は「αシヌクレイン」という
異常なタンパク質が脳内に蓄積することで
神経細胞が大量に死滅し発症することが
明らかになっています。
アルツハイマーとパーキンソン病は、
どちらも「神経変性疾患」と呼ばれており、
発症する機序もよく似ています。
現在のところ、「神経変性疾患」に対する
オートファジーの役割は、まだ研究段階です。
しかし、オートファジーという機能を
効果的に発揮することで
この難病が健常化されることが
大いに期待されています。
こう考えると、日々の食事に気を遣いながら
「自然治癒力」を高める生活をすることが
大切だと改めて思わされます。
今回ご紹介した「オートファジー」は、
まさに人間に本来備わっている
「自然治癒力」そのものだからです。
その力が、日々の食事の摂り方で
発揮できていないのであれば、
こんなにもったいないことはありません。
だからこそ、
毎日の食事には気を遣いたいものです。
ファスティングは、
「何を食べたら良いのか」ではなく
単なる「食べる量の調整」である
とも言えます。
まずは、「三食お腹いっぱい食べる」
生活をされている方は、
「腹八分目」を意識してみてください。
その6に続きます。
誠真堂鍼灸院
東洋史
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【東洋医学の智恵袋 vol.17】
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