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たくあん
こんにちは、田村指圧治療院です。いろいろな食べ物が美味しい季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、先月のメルマガでお伝えいたしました“日本食とは厳しい気候と耕作面積が三割しかない国土のなかで自然を敬愛しながらストイックな精神性を保ち続けている世界的にもまれなスタイルである”これを心が打たれるエピソードで紹介させていただきます。
三代将軍の家光が有名な沢庵(たくあん)和尚と談話しているときに「最近は何を食べてもうまいとは思わない。何か御馳走してくれ」すると和尚は「では、素晴らしいものを御用意いたしますので朝食を抜いて寺にいらして下さい」
後日、いそいそと訪ねたところ和尚は顔をださない、10時になっても茶の一杯も出ない、昼になっても何も出ずに3時になった・・・。すると和尚は「お待たせしました。さあ召し上がれ」お盆の上のお椀には米飯にサッと湯がかけられていたものと、別皿にはやや厚めに切られていた大根の漬け物が五切れ。さて!就寝以来まったくの空腹である。家光は餓鬼のようにむさぼり食ったそうである、当然である。ひとしきり食べ終えた頃に「家光様いかがでしたか?」すかさず「うまい!うまいぞ!」と興奮されたそうです。すると和尚は「常日頃、満たされた生活をしながら腹もすかさずに食事をし美味いものは無いか?とは何事ですか!」聞き入った彼は「確かに、そのとうりである」と頭を下げたのです。最高権力者である将軍にハッキリと申し上げる沢庵和尚の勇気、そしてそれを受けいれる家光の心の広さに武士と禅僧のハイレベルさを感じさせてくれます。
もし、これをワガママな独裁者に同じ事をやらかしたら・・・処刑されてしまうかもしれませんね。ちなみに家光は、あまりに旨い漬け物に感動して周囲に「沢庵和尚の漬け物は美味しかった!」と言ったことからたくあん漬けとして広まっていったそうである。これはあくまでキッカケで実は、この漬け方は平安時代の末期から有ったのだが食べ物の逸話として実に興味深い話だと思いますので御紹介させていただきました。
尚、山形県上山市の春雨庵ではわずか3年しか過ごさなかった沢庵和尚の人柄を慕い、11月の下旬には供養祭とたくあん漬け込み式が行われます。
次回は、家光の祖父で来年の大河ドラマの主役である家康についてご紹介予定です。
こちらは、御飯と一緒にオススメです(^_^)
https://ec.tsuku2.jp/items/12011070322922-0001?t=3&Ino=000011049800