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「センタイ」ってなんだ?②
おはようございます。
先日拾った「蝉の幼虫」から思い出した漢方薬「消風散」。
漢方薬として使われる「蝉の抜け殻」が入った漢方薬
「消風散」は主にこの時期に使われる漢方処方で、
アトピー性皮膚炎などで使われます。
乾燥によるかゆみというよりもジュクジュクして熱を持つ状態のかゆみに使うと良い場合が多いです。
ツムラの添付文書によると
【効能又は効果】分泌物が多く、かゆみの強い慢性の皮膚病
(湿疹、蕁麻疹、水虫、あせも、皮膚掻痒症)
【使用目標=証】比較的体力のある人の慢性の皮膚疾患で、患部に熱感があって、
多くは湿潤し、掻痒のはなはだしい場合に用いる。
1) 頑固な皮疹で、分泌物があって痂皮を形成し、その外見が汚穢で地肌に赤味を帯び、口渇を訴える場合。
2) 皮膚の病変が夏期にむかって、増悪する傾向のある場合。
とあります。
この処方には珍しい生薬が2つも配合されています。
ひとつめは「胡麻(ごま)」です。
「胡麻」には「陰を補う」作用があります。
「陰を補う」というのは独特な言い回しですが、
この世の全てのものは「陰」と「陽」が絶妙なバランスをとって存在しています。
例えば、
「月」と「太陽」であったり、
「寒」と「熱」
「女」と「男」
など
もちろん人体も「陰」と「陽」で成り立っています。
身体の「陰」と「陽」は
「お腹」と「背中」
「下半身」と「上半身」
「左側」と「右側」
「血・水」と「氣」
などなど
「陽」が強すぎる方は相対的に「陰≒水(津液)」が不足しがちで、
乾燥傾向などの諸症状が現れます。
現代人にかなり多い症状と言えます。
例えば、仕事はPCの画面とにらめっこ、
食事時などもTV画面を見続け、
休憩や睡眠時はスマホ画面を見ながら・・・
子どもでも最近家でも外出先でもゲーム漬けという患者さんをよくみかけます。
そんな方々は常に陽=光にさらされているため不眠症などになるケースが多々あります。
そして体が「陰を補う時間」は「22時~2時」とされているため、
特に「この時間に睡眠をしっかりとる」という事も大切です。
そんな「陰」を補う「胡麻」ですが、
「食物アレルギーの蕁麻疹」でも「消風散」が使われることもありますが、
「胡麻」自体の食物アレルギー患者さんに処方され悪化したという事例も報告があ流ようですので注意が必要です。
そしてふたつめが「センタイ」です。
カタカナ表記ですと分かりにくいですが、漢字だとなんとなく想像がつきます。
「蝉退」です。
蝉の抜け殻を生薬として使おうと考えた事自体がびっくりですよね。
その主成分は甲殻類などと同じキチン質であり、
期待される効能としては抗炎症、抗アレルギー作用。
かゆみどめの漢方として欠かせない生薬です。
夏場に蝉の抜け殻を見る目が変わりますよね。
3〜4日前の体温越えの暑い日々=「陽」
が続いた後の
豪雨からの氣温低下=「陰」
普段から「陰陽」の絶妙な世の中を感じとってみて下さい♪
「子どもたちの未来を守りたい」
ファーマシー未来堂
国際中医師 島田幸一 でした。