ごちそうさまが、聞きたくて

先月、蒜山中学2年生の職場体験で、女の子2名の受け入れをしました。
わずか3日間ですが、「働く」ことを考えるきっかけになる場と捉え、こちらも真剣に受け入れています。
しんどさ、大変さはもちろん、楽しさや喜びも味わってもらえたらと思い、中学生用の仕事ではなく、スタッフと同じことをしてもらいます。
もちろん、いきなりお客様の前にも立ってもらいました。
緊張の中、たどたどしい仕事ぶりでしたが、3日間しっかりがんばってくれました。

振りかえりの中で、嬉しかったことを尋ねると、
「お客様に『がんばってね』『ありがとう』と声かけてもらえたことです」
と答えてくれました。

この文章を読んでいるかわかりませんが、お声かけくださったお客様、ありがとうございます。
その優しい言葉が、彼女たちにとって、仕事の「喜び」や「やりがい」となったと思います…。

 
さて。

お客様からのお声かけは、中学生のみならず、私たち大人にとっても、大きな「喜び」であり「やりがい」です。

無言でお帰りになるお客様には、
「お口に合わなかったのかな…」
「何か不手際があったかな…」
と毎度不安になります。
でも、
「ごちそうさま!」
「美味しかったよ!」
「ありがとう!」
という言葉をいただくと、ほっとしますし、元気が出るものです。

近年は、食券機やタブレット注文のお店も増え、誰とも会話せず店を出ることも多いです。
リアルのやりとりが減り、お客様の様子を窺い知れるのは、ネット上の書き込みという時代です。
そして店側は、匿名の心無い言葉に、いちいち心を削られています。
だからこそ「ごちそうさま」というたった一言でも、より響くのでしょうか。

お店の立場で物申してしまいましたが、飲食店に限らず、お店で働く人にひと言声かけることは、世の中をちょっと良くする小さな社会貢献だと思うのです。

ごはんの前には「いただきます」
食べた後には「ごちそうさま」
親切にされたら「ありがとう」
迷惑かけたら「ごめんなさい」
そんな当たり前の言葉を
素直に言える大人でありたいと思った秋です。

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