2024.08.17
ギザあり10円硬貨
日常でよく見かける10円硬貨に、「ギザ十」と呼ばれる硬貨が混じっているのは有名な話です。昭和26年から昭和33年に発行された10円硬貨は縁にギザがあるため、この名称がつきました。物珍しさがありますが、実際は美品、未使用品は価値がつくものの、一般に流通しているギザ十は額面以上の評価はつきません。例外として、発行枚数が少ない昭和26年、昭和32年、昭和33年の状態が良い流通品であれば、額面以上の値段で取引されます。
10円硬貨にギザがつけられた理由は、次のようなものです。
海外で高額硬貨として金貨が流通していた頃、金貨の縁を削って、得た金くずを売る行為が横行しました。それを防止するために金貨の縁にギザを入れ、その名残として、高額硬貨の縁にギザを入れることが慣習になったそうです。発行当時の硬貨の中では10円が最も大きな額面だったため、縁にギザを入れました。その後、昭和30年に50円硬貨、昭和32年に100円硬貨とさらに額面の大きな硬貨が登場したため、10円のギザはなくなったとのことです。
10円青銅貨(表:平等院鳳凰堂 裏:常盤木)
(参考文献:日本貨幣カタログ)