『俺はお前が嫌いだ』予備校講師が言った理由【子どもの自立】


Facebookの動画を見ていたら、衝撃的な内容が出ていました。

予備校の講師が、生徒に向かって「俺はお前が嫌いだ」と言っていました。

「ひどい!」と思いますよね?

でも、その後の言葉を聞いて、私は涙が出そうになりました。

調べたら、代ゼミの荻野暢也先生でした。


連続して遅刻してきた生徒に対して

その内容は、連続して遅刻してきた生徒に対しての言葉でした。

前回も遅刻して注意したのに、今回も同じように遅刻してきた。

それに対して、本人に向かってこう言っています。

「お前。女。来て欲しくない」

かなり過激で、今そんなことをすると問題になるかも知れません。

でも、その後の言葉がすごく腑に落ちたんです。


お金を払っているから何してもいいのか?

荻野先生はこう続けます。

金払っているから何をしてもいいんだ

金を払っているから好きなときに来てもいいんだ

金を払っているから遅刻してもいいんだ

「生徒は客であると思っていない。俺にとっては生徒は生徒なんだ」


そして、こう言いました。

「君らは今どこに行ってもお金を払っているんだ。だからわがままが通るんだ」

「でも、お前が社会に出て金をもらう瞬間。誰もお前のことを相手しなくなるぞ」

「だって相手をする必要がない。便宜する必要全くない」

「お前嫌いだから向こう行けバーカ」

「いやいやバカすら言ってくれない。完全に無視しだ」


そして、最後にこう言いました。

「そうならないためにお金を払っているうちにまともな人間になるんだ」


もしかして、あなたもこんな子育てしていませんか?

  • 「わからないところをわかるようにしてください」と塾に言う
  • 子どもが困らないように、先回りして準備してあげる
  • 「宿題やった?」「勉強しなさい」と毎日言っている
  • 子どもが失敗しないように、口うるさく注意している

実は、これが子どもを自立から遠ざけているんです。


「わかるようにしてください」という依存

通常の親は「わからないところをわかるようにしてください」といいます。

ですが、この考え方が子どもを自立から遠ざけています。

というのは、「わからないところをわかるようにしてください」というのはあくまでも「相手次第」だからです。

相手に頼らないといけない子というのは、ずっと相手次第です。


たとえば、塾がただのサービス業であれば、こうなります。

相手(塾)=お客様(あなたの子ども)

ですから、それを要求するのは当然の権利かも知れません。


ですが、塾はただサービス業ではなく、教育サービス業です。

目標は「わかりやすい説明で子どもがわかるようにする」のではなく、「自分でわかるようにする」のが最終目的のはず。

そういう考えでないと子どもは自立していかないのです。


社会に出たらどうなるのか?

実際に社会に出るとこんな構図になります。

自分=相手(お客様、上司)

社会に出ると今度は相手が「お客様」です。

その相手に「わかりやすい説明をしてください」といいますか?

新人になって仕事をスタートします。

そのときわからなかったら?

「わかりやすく説明してください」と上司に言いますか?


受付をしていたら、お客様が来ました。

いろいろ言われましたが、言っていることがわかりません。

本当はお客様の言っていることがわからなかったら、質問しないでそのまま仕事を進めるのでしょうか?


「わからない問題を自分でわかるようにする」

これができれば自立していきます。

「わかるようにしてください」というのは、常に「相手に頼るようになる」からです。

人を他人が管理したり、他人の力でわかるようにしたりするのは、結局はその子はいつまでたっても自立しないのです。


成功事例:「親子で育ててもらいました」

高校3年生になって、お母さんに言われるのは「親子で育ててもらいました」という感想です。

今まで、子育てを口うるさく言うことで、子どもが自立できなかったんです。

でも、自立させる子育てに変えたことで、子どもが変わりました。

自分で目標を立てて、進路を決めて、自分で勉強するようになったんです。


ビフォーアフター:依存的な子育て vs 自立させる子育て

依存的な子育て 自立させる子育て
「わかるようにしてください」と塾に言う 「自分でわかるようにしてください」と子どもに言う
口うるさく「勉強しなさい」と言う 子どもが自分で決める環境を作る
子どもが困らないように先回りする 失敗から学ばせる
結果:子どもが自立できない 結果:子どもが自分で目標を立て、自分で勉強する

お金を払っているうちに育てる

塾というのは教育サービスです。

ビジネスですから、残念ながらそこにお客さんがいないと成り立ちません。

だから、保護者や生徒の要望に応えようと努力します。

ですが、ただのサービス業ではないのです。

その前に「教育」がつくのです。

だからこそ、お金を支払っているうちに「お金を支払ってもらえる子」に育てていく必要があるのです。

荻野先生が言っていた「そうならないためにお金を払っているうちにまともな人間になるんだ」というのは、まさにこのことです。


すべてを子どもの成長の糧に

学校というのは「社会の縮図」です。

勉強してできなくても、次の成長の糧。

先生にいろいろ言われたら、それも子どもの成長の糧。

部活の人間関係で悩んだら、それも成長のための糧。

勉強と他のことの両立ができなかったら、それも成長のための糧。

時間が足らなくて勉強の時間が取れなくても、成長のための糧。

なのです。


今日からできる3つのこと

1. 「わかるようにしてください」ではなく「自分でわかるようにしてね」と言う

子どもに「わからないところがあったら、まず自分で調べてみて。それでもわからなかったら聞いてね」と伝えてください。

2. 口うるさく言うのをやめる

「宿題やった?」「勉強しなさい」と言うのをやめて、子どもが自分で決める環境を作ってください。

3. 失敗から学ばせる

子どもが困らないように先回りするのではなく、失敗から学ばせてください。


FAQ:よくある質問

Q1. 「自分でわかるようにして」と言っても、子どもが何もしない場合は?

A. 最初は何もしないかもしれません。でも、それも成長のプロセスです。焦らず見守ってください。困ったら自分から動くようになります。

Q2. 口うるさく言わないと、子どもが勉強しなくなるのでは?

A. 最初は勉強しなくなるかもしれません。でも、それも成長のプロセスです。自分で「勉強しないとまずい」と気づくまで待ってください。

Q3. 失敗させるのが怖いです。どうすればいいですか?

A. お金を払っているうちに失敗させてください。社会に出てから失敗するより、今失敗する方がずっと安全です。

Q4. 高校3年生からでは遅いですか?

A. 遅くありません。気づいた時が始める時です。今日から変えてください。

Q5. どのくらいの期間で効果が出ますか?

A. 個人差はありますが、3ヶ月から半年で変化が見られることが多いです。焦らず見守ってください。

Q6. 「親子で育ててもらいました」という感想は、どういう意味ですか?

A. 今まで親が子どもを育てていると思っていたけど、実は子どもを通して親も成長していた、という意味です。親も子どもと一緒に成長できたという感謝の言葉です。


あなたへのメッセージ

荻野先生が言った「そうならないためにお金を払っているうちにまともな人間になるんだ」という言葉。

これは、塾だけの話ではありません。

家庭でも同じです。

子どもがお金を払ってもらっているうちに、自立できるように育ててください。

今日から、たった1つでいいので、実践してください。「わかるようにしてください」ではなく「自分でわかるようにしてね」と言ってみてください。

それだけで、あなたの子どもは変わり始めます。

ぜひとも、すべてを子どもの成長の糧にしてくださいね。


学習ジム・コーチ 堀

一覧 【保護者必読】スマホのリスク③相手が誰だかわからない