自然療法と「贈与」の思想

自然療法と「贈与」の思想

植物療法は単に「効能」を享受するものではありません。
その背景には、自然が私たちに与えてくれる「贈与」の思想が息づいています。

フランスの人類学者マルセル・モースは『贈与論』で、贈り物とは単なる物品の交換ではなく、人と人とのつながりを生む力を持つと説きました。
自然から受け取るハーブやクレイ、精油もまた、同じように「贈り物」であり、それを受け取るときに私たちは「感謝」と「畏怖」を抱くのです。


🌿 意味を超えた「恵み」

現代では「どんな成分が効くのか」といった意味や理由にばかり目を向けがちです。
しかし、かつて人々はもっと直接的に、自然の力に畏敬の念を持って向き合っていました。
香りを吸い込むこと、薬草を煎じること、クレイを塗布すること――それ自体が「恵みを受け取る行為」だったのです。


🤲 贈与としての自然療法

モースが説いた贈与は「受け取る・返す・つながる」という循環です。
植物療法も同じです。

  • 自然からの恵みを 受け取り

  • 健康や癒しを通じて周囲に 返し

  • 人と人を結びつけ、社会の中で つながる

この循環があるからこそ、植物療法は単なる「代替医療」ではなく、文化や共同体の中に生きる知恵なのです。


Argiletz Japan からのメッセージ

自然からの恵みを「贈与」として受け取る。
その感覚を思い出すことは、今の時代にこそ必要ではないでしょうか。

クレイ、アロマ、ハーブ――それぞれの恵みを味わいながら、
自然と、そして人とのつながりを深めていきましょう。

🌱 次回予告

次回は「植物療法と『贈与』の思想」についてお届けします。

自然からの恵みをどう受け取り、どう分かち合うのか。
西行や芭蕉の感性と、フランスの社会学者マルセル・モースの贈与論がどのように響き合うのか。

単なる効能や成分の解説を超え、自然療法を“贈り物”として捉える視点を、皆さんと共有したいと思います。
どうぞお楽しみに。

自然療法と「贈与」という感性のマッチング 一覧